電気自動車(EV)を新車で買うとき、国の「CEV補助金」に加えて、都道府県や市区町村の補助金を重ねて受け取れる(併用できる)地域があります。この記事では、2026年11月時点の公式情報をもとに、国+都道府県+市区町村を組み合わせると最大いくらになるかを、地域別に整理しました。

この記事で分かること

この記事で分かること:普通車EVを新車で買う場合に、国・都道府県・市区町村の補助金を併用すると最大いくらになるか(地域別ランキング)/併用できる組み合わせと、「国の交付決定が条件」「実支出額を超えない」などの注意点/国のCEV補助金の受付終了見込み(2026年12月上旬〜下旬目処)を踏まえた申請の順番

結論:併用で最大いくらになるか

結論:併用で最大いくらになるか

2026年11月時点で、当サイトが確認できた範囲では、東京都の区部(墨田区・江東区など)で、国+東京都+区の3つを併用するケースが最も高く、モデルケースで合計230万円、太陽光発電とV2Hを導入する上乗せ条件を満たすと合計270万円になります。東京都以外では、福井県の若者向けEV補助(18〜29歳)や高知県の上乗せ補助が比較的大きくなります。

ただし、国のCEV補助金は2026年12月上旬〜12月下旬を目処に申請受付が終了する見込みと公表されています。福井県・石川県・高知県などの県の補助は国の補助金の交付決定(高知県は交付申請)が条件のため、国の受付が終わると県の補助も受けられなくなるおそれがあります。

順位地域国都道府県市区町村合計(モデルケース)受付状況(2026年11月時点)
1東京都墨田区130万円90万円(上乗せ条件達成で130万円)10万円230万円(上乗せ条件達成で270万円)受付中(区は2027年2月26日まで・予算到達で終了)
1東京都江東区130万円90万円(上乗せ条件達成で130万円)10万円230万円(上乗せ条件達成で270万円)受付中(区は2027年3月31日必着)
3東京都(区市町村の上乗せがない地域)130万円90万円(上乗せ条件達成で130万円)-220万円(上乗せ条件達成で260万円)受付中(都は2027年3月31日まで)
4福井県・嶺南地域(若者向け:18〜29歳)130万円50万円市町の制度は要確認180万円受付中(2027年3月31日必着・予算到達で終了)
5福井県・嶺北地域(若者向け:18〜29歳)130万円40万円市町の制度は要確認170万円受付中(同上)
6高知県130万円20万円市町村の制度は要確認150万円受付中(2027年1月末まで・予算到達で終了)
6福井県(全世代メニュー)130万円10万円(嶺南20万円)市町の制度は要確認140万円(嶺南150万円)受付中(2027年3月31日必着)
8石川県(再エネ導入が必須)130万円15万円市町の制度は要確認145万円受付中(2027年1月29日必着・予算到達で終了)
8沖縄県(離島・過疎地域の個人のみ)130万円15万円(離島は輸送費の1/2・上限5万円も)市町村の制度は要確認145万円(離島の輸送費補助を含めると最大150万円)第1期は終了。第2期は2026年11月16日〜2027年3月15日
10滋賀県(太陽光+V2Hの導入が必須)130万円10万円市町の制度は要確認140万円受付中(2027年2月10日まで・予算額は140万円と小規模)

※順位は、上乗せ条件を満たさない場合のモデルケース合計で並べています(同額は同順位。福井県全世代メニューは嶺南の150万円で順位付け)。金額はいずれも2026年11月時点の公式ページによるもので、車種・メーカー・登録日によって変わります。

モデルケースの前提

モデルケースの前提
  • 個人が、普通車の電気自動車(EV)を新車で購入(自家用・現金またはローンで購入。リース・中古車は含めない)
  • 国のCEV補助金は130万円:次世代自動車振興センターの補助対象車両一覧で、2026年4月1日〜12月31日に登録する普通車EVの交付額として多い水準(130万円・129万円・127万円の車種が多い)を使用。交付額は銘柄(メーカー・車種・グレード)ごとに決まっており、輸入車などでは大きく下がる車種もあります
  • 2027年1月1日以降に登録する車両は国の補助額が見直され、同じ130万円の車種で78万円になります(経済産業省が2026年10月21日に発表)
  • 東京都は「メーカー別の補助額」90万円を想定:2026年7月1日以降に初度登録した車両に適用される引上げ後の制度で、メーカー別補助額の上限(給電機能ありの車種で、メーカーごとの上乗せ額が最大の60万円のメーカー)の場合。メーカーにより上乗せ額は0円〜60万円と差があります
  • 東京都の「上乗せ条件を満たした場合」:太陽光発電設備の設置(EVは+30万円)と、V2H(充放電設備)1口の導入(+10万円)の両方を満たした場合。再エネ100%電力契約を選んだ場合の上乗せは+15万円です
  • 車両価格は数百万円程度を想定し、補助金の合計が実支出額を超えない前提で計算しています

国の補助金と、自治体の補助金を併用するときのルール

基本ルール:国の補助金どうしは不可、自治体とは併用可

国のCEV補助金は、国が実施する他の補助金と同じ車両で重複して受けることはできません。一方、都道府県や市区町村の補助金とは重複して申請できるとされています。実際、東京都墨田区は「次世代自動車は国・東京都の補助制度と併用できます」と明記し、江東区も国や都の補助金と合わせて受け取れる仕組みです。

注意点1:県の補助は「国の交付決定」が条件のことが多い

福井県・石川県の補助金は、国のCEV補助金の交付決定(交付)を受けていることが条件です。高知県は2026年6月の要綱改正で、条件が「国の交付決定」から「国の交付申請をしていること」に緩和されましたが、国に申請できなかった車両は県の補助対象外と案内されています。国の受付が予算到達で終わると、県の上乗せも受けられなくなる点に注意してください。

注意点2:申請の順番とタイミング

車両の補助金は、ほとんどが納車(登録)後の申請です。国のCEV補助金に申請し、交付決定通知が届いてから県へ申請する流れが一般的です。石川県は「国の補助金は申請から交付決定まで概ね3〜4か月程度かかる見込み」と案内しています。県の締切(石川県は2027年1月29日必着など)に間に合うよう、逆算が必要です。

注意点3:補助金の合計は実際に払った額を超えない

墨田区・江東区は、区の助成額と国・都の補助金の合計が実支出額を上回る場合、区の助成額を減らします。高知県も、車両本体価格(税抜・値引き後)から国の補助金を差し引いた額が県の補助額を下回る場合は、その額が上限です。低価格の車両では満額にならないことがあります。

注意点4:先着順・予算到達で終了

国・都道府県・区のいずれも、予算額に達した時点で受付終了です。国のCEV補助金は申請書が事務局に到着した日で先着順に受け付け、予算額に達した日の前日(営業日)で受付終了となります。滋賀県のように予算額が140万円と小さい制度もあります。

注意点5:保有義務と条件の継続

国のCEV補助金を受けた車両は、原則として4年または3年の保有義務があり、期間内に手放すと補助金の返納が必要です。石川県では、処分制限期間中は再生可能エネルギーの導入を続けることも求められます。

地域別の併用早見表

当サイトで記事にしている地域を一覧にしました。「個人のEV購入補助」がない地域でも、FCV・事業者向け・充電設備の補助がある場合があります。V2H・充電設備は車両とは別の補助(別の対象経費)として扱われるのが一般的です。

地域都道府県の補助主な市区町村の補助国との併用合計の目安(モデルケース)当サイトの詳しい記事
国--自治体の補助とは重複申請可。国の他の補助とは不可130万円(2027年1月以降登録は78万円)国のCEV補助金
東京都EVはメーカー別最大90万円+上乗せ最大40万円(2026年7月1日以降登録)墨田区・江東区は1台一律10万円可(対象は国の補助対象車両)220万円〜270万円東京都ZEV車両購入補助/東京都V2H/東京都充電設備/シェアリング用ZEV/EVバス・トラック
東京都墨田区都の補助と併用可EV・PHV・FCV一律10万円(2027年2月26日まで)国・都と併用可(実支出額超過分は減額)230万円(上乗せ条件達成で270万円)墨田区EV購入助成/墨田区V2H・充電設備
東京都江東区都の補助と併用可EV・PHV・FCV一律10万円(2027年3月31日必着)可(実支出額超過分は減額)230万円(上乗せ条件達成で270万円)江東区EV購入助成
東京都足立区・渋谷区・杉並区-充電設備・V2Hの助成(車両購入の助成ではない)車両とは別経費車両は東京都と同じ220万円〜足立区/渋谷区/杉並区
福井県全世代EV10万円(嶺南20万円)、若者向け普通EV40万円(嶺南50万円)。両メニューの重複不可市町の制度は各市町で要確認国の交付決定が条件140万円〜180万円福井県EV補助/福井県V2H
石川県EV15万円(太陽光または再エネ100%電力の導入が必須)、家庭用充電設備は上限2.5万円市町の制度は要確認国の交付が条件。充電設備は国の充電設備補助と併用不可145万円石川県EV補助
高知県普通EV20万円・軽EV30万円(県内の販売店で購入)市町村の制度は要確認国への交付申請が条件(国の補助への上乗せ)150万円高知県EV補助
滋賀県EV10万円(太陽光+V2Hの導入が条件)市町の制度は要確認国・県内市町の補助と併用可(機関により不可の場合あり)140万円滋賀県(個人)/滋賀県(事業者)
沖縄県離島・過疎地域の個人等にEV15万円、V2H15万円・充電設備5万円市町村の制度は要確認国・市町村の補助と併用可(県のQ&A)145万円〜沖縄県EV補助
愛媛県県は市町のEV購入補助に1/2(上限10万円)を補助。個人の申請先は各市町市町ごとに金額が異なる各市町の制度で要確認公式ページで要確認愛媛県EV補助/急速充電
三重県実施市町の補助に県が上乗せ(金額は市町ごと)四日市市・いなべ市はFCVのみが対象市町の要綱で要確認公式ページで要確認三重県
兵庫県市町協調のZEV補助は事業者向け--個人EVは国のみ兵庫県ZEV/電気バス・EVトラック/FCトラック/淡路地域
神奈川県個人は乗用FCVのみ。EVは事業用等・充電設備--個人EVは国のみ乗用FCV/事業用EV/充電設備/商用FCV
千葉県事業者・交通事業者・充電設備向け--個人EVは国のみ中小事業者設備/地域交通等/観光施設充電/太陽光発電所充電
栃木県中小企業等のZEV・充電インフラ向け--個人EVは国のみ災害時電源ZEV/充電インフラ
宮城県・福島県FCV補助、住宅向けV2H補助--個人EVは国のみ(V2Hは別途)宮城FCV/宮城V2H/福島FCV/福島V2H
岩手県地域公共交通のEV・充電設備向け--個人EVは国のみ地域公共交通EV/充電設備
大阪府中小事業者のZEV、EVトラック等(11月30日締切)--個人EVは国のみ中小事業者ZEV/EV・FCトラック/ワイヤレス給電
岡山県・徳島県・大分県事業者向けのEV・軽EV・V2H・充電設備--個人EVは国のみ岡山業務用EV/岡山充電/徳島EV/徳島V2H/大分軽EV/大分充電
山梨県・長野県電気バス・電気タクシー・急速充電設備向け--個人EVは国のみ山梨電気バス/山梨電気タクシー/山梨充電/長野充電
富山県・福岡県・鹿児島県FCV、FC商用車、充電設備・V2H(鹿児島は離島の個人V2Hも)--個人EVは国のみ富山FCV/福岡FC商用車/鹿児島充電・V2H
国(事業者向け)---個人の乗用EVは対象外充電設備/EVトラック/タクシー・バス

※「個人EVは国のみ」は、当サイトの掲載記事の範囲で個人向けのEV購入補助が見当たらないという意味です。お住まいの市区町村が独自に補助している場合があるため、市区町村のホームページもあわせて確認してください。V2H・充電設備の補助は、制度ごとに国の補助との併用可否が異なります(例:石川県の家庭用充電設備は国の充電設備補助との併用不可)。

併用するときの申請の流れ

併用するときの申請の流れ:1. 購入前に補助額を確認:次世代自動車振興センターの補助対象車両一覧で、購入予定の車種・グレードの国の交付額を確認します。東京都はメーカー別の補助額、県や区の要件(県内の販売店での購入、再エネ・V2Hの導入など)もこの段階で確認します。/2. 登録日を販売店と相談:国の補助額は2027年1月1日以降の登録分で下がります。国の受付は2026年12月上旬〜下旬に終了する見込みのため、納車・登録の時期を早めに確認します。/3. 納車後、国のCEV補助金に申請:登録後に、原則オンラインで申請します。申請は事務局への到着順です。/4. 都道府県の補助金に申請:東京都はクール・ネット東京に申請します。福井県・石川県は国の交付決定通知の写しを添えて申請します(高知県は国への交付申請をしていれば申請可)。/5. 市区町村の補助金に申請:墨田区・江東区は初度登録日の翌日から1年以内に申請します。国・都の補助額によって区の助成額が調整されることがあります。/6. 保有義務を守る:補助を受けた車両は原則4年または3年の保有義務があります。条件付きの補助(再エネ導入など)は、その条件も継続します。

よくある質問

国と都道府県、市区町村の補助金は全部同時に受け取れますか?

国のCEV補助金は自治体の補助金と重複して申請できるとされており、東京都墨田区のように「国・東京都の補助制度と併用できます」と明記している区もあります。ただし、県や区の制度ごとに「国の交付決定が条件」「実支出額を超えた分は減額」などのルールがあるため、各制度の要綱で確認してください。

国のCEV補助金の受付が終わったら、県の補助も受けられませんか?

福井県・石川県は国の交付決定(交付)が条件、高知県は国への交付申請が条件のため、国に申請できなかった車両は県の補助対象外になります。国の受付は2026年12月上旬〜下旬を目処に終了する見込みと公表されています(前後する可能性あり)。東京都の補助は、対象が国の補助対象車両であることが条件です。国の受付終了後の扱いは公式ページで要確認です。

東京都の補助が「最大100万円」と書かれた情報を見ました。どちらが正しいですか?

東京都は2026年6月24日に、EVの補助額を最大100万円から最大130万円に引き上げると発表しました。2026年7月1日以降に初度登録した車両が対象で、4月1日〜6月30日に登録した車両は引上げ前の補助額になります。

V2Hや充電設備の補助も一緒に申請できますか?

V2H・充電設備は、車両とは別の補助制度(国の充電インフラ補助、都道府県や区の住宅向け補助など)として扱われるのが一般的です。東京都のように、V2Hの導入で車両の補助額が10万円上乗せされる制度もあります。設備の補助は国の補助との併用を認めない制度もあるため、制度ごとに確認してください。

まとめ

  • 2026年11月時点で、普通車EVを新車で買う場合の併用合計は、東京都墨田区・江東区で230万円(太陽光+V2Hの上乗せ条件達成で270万円)が最大でした。
  • 東京都以外では、福井県の若者向け(最大180万円)、高知県(150万円)、石川県・沖縄県の離島・過疎地域(145万円)などが続きます。
  • 国の補助額は車種と登録日で変わり、2027年1月以降の登録では大きく下がります。国の受付も2026年12月上旬〜下旬に終了する見込みのため、県の補助を含めて早めの準備が大切です。

参考資料・出典