株やFXのチャートを開くと、赤と青(または白と黒)の細長い棒が並んでいます。これがローソク足です。ローソク足はほとんどのテクニカル分析の土台になるため、最初に見方を覚えておくと、ほかの指標も理解しやすくなります。この記事では、陽線・陰線・ヒゲの意味から、代表的な形、読み方の注意点までをやさしく解説します。
この記事で分かること
- ローソク足が表している4つの価格(四本値)
- 陽線・陰線・実体・ヒゲの意味
- 代表的な1本の形と、2本の組み合わせの例
- 株とFXでの見え方の違い、だましと注意点
この記事はチャートの読み方を説明するもので、特定の銘柄や通貨ペアの売買をすすめたり、値動きを予想したりするものではありません。
ローソク足の仕組み(見た目の特徴)
日本取引所グループ(JPX)の用語集では、ローソク足を始値・高値・安値・終値のいわゆる四本値を表したチャートと説明しています。1本のローソク足で、ある期間(1日、1週間、1時間など)の値動きをまとめて表します。江戸時代の米の取引に由来するとされることが多い、日本で生まれた表し方です。
陽線と陰線
JPXの説明では、終値が始値より高ければ始値から終値まで白い帯を描き(陽線)、終値の方が安ければ黒い帯を描く(陰線)とされています。カラー表示のチャートでは陽線を赤、陰線を青や緑などで示すことも多く、色の割り当ては使うチャートによって異なります。
| 部分 | 意味 |
|---|---|
| 実体(太い部分) | 始値と終値の間。陽線なら下端が始値・上端が終値、陰線なら上端が始値・下端が終値 |
| 上ヒゲ | 実体の上に伸びる細い線。先端が期間中の高値 |
| 下ヒゲ | 実体の下に伸びる細い線。先端が期間中の安値 |
仮に、ある日の始値が1,000円、高値が1,050円、安値が980円、終値が1,030円だったとします。終値が始値より高いので陽線になり、1,000円から1,030円までが実体、1,030円から1,050円までが上ヒゲ、980円から1,000円までが下ヒゲです(数値は説明のための架空の例です)。
時間の区切り方
1日の値動きを1本にしたものを日足、1週間なら週足、1か月なら月足、1時間なら1時間足と呼びます。同じ期間でも、どの足で見るかによって印象が大きく変わります。
一般的な見方・使われ方(代表的な形)
ローソク足の形は、その期間に買いと売りのどちらの勢いが強かったかを読み取る手がかりとして使われます。代表的な形と、一般的な解釈は次のとおりです。
1本で見る代表的な形
- 大陽線・大陰線:ヒゲが短く実体が長い形。期間中、一方向に大きく動いたことを示し、その方向の勢いが強かったと解釈されます。
- 小陽線・小陰線(コマ):実体が短い形。買いと売りが拮抗し、方向感が乏しかったと解釈されます。
- 十字線(同時線):始値と終値がほぼ同じで、実体がほとんどない形。迷いを示すとされ、トレンドの終盤に出ると転換の可能性に注目されることがあります。
- 長い下ヒゲ:いったん大きく下げたものの、終値までに値を戻した形。安い価格では買いが入ったと解釈されることがあります。
- 長い上ヒゲ:いったん大きく上げたものの、終値までに押し戻された形。高い価格では売りが出たと解釈されることがあります。
長いヒゲを持つ形は、海外の呼び方にならって「ピンバー」と呼ばれることもあります。
2本の組み合わせの例
- 包み足(つつみ線):前の足の実体を、次の足の実体がすっぽり包む形。前の足と逆向きの勢いが出てきたと解釈されることがあります。
- はらみ線:前の足の実体の範囲内に、次の足の実体が収まる形。勢いが弱まったと解釈されることがあります。海外の「インサイドバー」に近い考え方です(インサイドバーは一般に高値・安値で判断します)。
これらの解釈は「そう読まれることが多い」というもので、形が出たからといってその後の値動きが決まるわけではありません。
株とFXでの使い方の違い
- 窓(ギャップ)の出方:東京証券取引所の立会時間は、JPXによると午前9時から11時30分、午後12時30分から15時30分です。取引のない夜間を挟むため、前日の終値と翌日の始値が大きく離れる「窓」が日足に現れやすくなります。FXは平日ほぼ24時間取引されるため、窓は主に週明けに見られます。
- 日足の区切り:FXでは1日の始まりと終わりの時刻を業者が決めているため、使うチャートによって日足の形が少し異なることがあります。
- 表示される価格:FXのチャートは業者が提示する価格(多くは売値)をもとに描かれ、業者ごとに細かな違いが出ることがあります。
弱点・だましと注意点
- 1本だけでは判断材料として弱い:同じ形でも、上昇の途中か、下降の途中か、もみ合いの中かで意味が変わります。
- だましがある:転換を示すとされる形が出たあとも、それまでの方向に動き続けることは珍しくありません。
- 時間軸で見え方が変わる:日足では大陽線でも、1時間足で見ると上下に大きく振れていることがあります。
- 確定前の足は形が変わる:期間が終わるまで、ローソク足の形は変わり続けます。途中の形だけで判断するのは注意が必要です。
金融庁は投資に元本割れのおそれがあると説明しています。また、金融先物取引業協会が説明するように、FXは証拠金以上の額の取引ができる仕組みのため、損失が大きくなる可能性もあります。ローソク足の形は相場を整理する手がかりであり、損失を避ける保証にはなりません。
他の分析との組み合わせ方
- トレンドの確認:シリーズ記事「ダウ理論」で解説する高値・安値の切り上げ・切り下げで大きな流れを確認し、その中でローソク足の形を見る使い方があります。
- 移動平均線:ローソク足が移動平均線の上にあるか下にあるか、線を越えたかどうかを見る方法がよく紹介されます。詳しくはシリーズ記事「移動平均線」をご覧ください。
- 価格帯:過去に何度も止まった価格帯(サポートライン・レジスタンスライン)の近くで、どんな形が出たかに注目する見方もあります。
よくある質問
陽線は赤、陰線は青と決まっていますか?
決まっていません。JPXの用語集のように白と黒で表す説明もあり、チャートによって色の設定は異なります。使うチャートの凡例や設定を確認しましょう。
形のパターンを全部覚える必要はありますか?
名前の付いた形は数多くありますが、まずは実体の長さ、ヒゲの長さと向き、陽線か陰線か、という基本の読み方を押さえることが大切です。パターンを覚えても、その通りに動くとは限りません。
まとめ
- ローソク足は始値・高値・安値・終値の四本値を1本で表したもの
- 終値が始値より高ければ陽線、安ければ陰線で、高値と安値はヒゲで表す
- 大陽線・十字線・長いヒゲ・包み足・はらみ線などの形には一般的な解釈がある
- 形の意味は相場の状況や時間軸で変わり、だましもあり、損失の可能性はなくならない
テクニカル分析全体の位置づけは、シリーズ記事「テクニカル分析とは」で確認できます。