チャートを見ていると、価格が何度も同じあたりで止まったり跳ね返されたりすることがあります。その価格帯に引く線が、サポートライン(下値支持線)とレジスタンスライン(上値抵抗線)です。この記事では、サポートライン・レジスタンスラインとは何かを、水平線の引き方、ブレイク、ロールリバーサル(役割転換)の順にわかりやすく説明します。特定の銘柄や通貨ペアの売買をすすめたり、値動きを予想したりするものではありません。
この記事で分かること
- サポートライン・レジスタンスラインの意味と、意識される理由
- 水平線の基本的な引き方
- ブレイク(突破)とロールリバーサルの考え方
- 株とFXでの違い、だましと注意点
サポートライン・レジスタンスラインの仕組み
サポートラインは、価格の下落が止まりやすい価格帯に引く線です。レジスタンスラインは、価格の上昇が止まりやすい価格帯に引く線です。RSIやMACDのような計算式はなく、過去のチャートの高値・安値をもとに自分で引くのが特徴です。
なぜ同じ価格帯で止まりやすいのかについては、次のような説明がよくされます。
- 過去に反発した安値を覚えている人が多く、その近くで買いが入りやすい
- 過去の高値で買って含み損を抱えた人が、その価格まで戻ると売りやすい
- 1,000円や150円ちょうどなど、切りのよい数字(節目)に注文が集まりやすい
つまり、サポート・レジスタンスは「多くの参加者が意識している価格帯」を目に見える形にしたものといえます。必ずそこで止まるという決まりがあるわけではありません。
水平線の引き方
基本の手順
- 長めの期間を表示する:まず日足や週足など長い足で全体を見ます。長い足で目立つ価格帯ほど、多くの人に意識されやすいといわれます。
- 何度も止まった高値・安値を探す:1回だけでなく、2回、3回と反発・反落した価格帯を探します。
- 水平に線を引く:安値がそろう場所にサポートライン、高値がそろう場所にレジスタンスラインを引きます。
- 「線」ではなく「帯」として見る:実際の価格はぴったり同じ値で止まることは少ないため、少し幅を持たせたゾーンとして考えるのが一般的です。
ヒゲと実体どちらに合わせるか
ローソク足のヒゲの先に合わせる人もいれば、実体(始値と終値の範囲)に合わせる人もいます。決まった正解はありません。迷ったときは、より多くの高値・安値が集まる位置を選ぶ、という考え方がよく紹介されます。
仮のチャートで考える
仮に、ある銘柄が過去3か月で1,000円付近まで3回下がり、そのたびに反発していたとします(説明用の架空の例です)。この場合、1,000円付近がサポートラインの候補になります。同じ期間に1,200円付近で2回上昇が止まっていれば、1,200円付近がレジスタンスラインの候補です。価格はこの間を行き来する「レンジ相場」と見ることができます。
ブレイクとロールリバーサル
ブレイク(突破)
価格がレジスタンスラインを上に抜けたり、サポートラインを下に抜けたりすることをブレイクといいます。意識されていた価格帯を抜けたことで、それまでの均衡が崩れ、値動きが大きくなることがあると考えられています。
ロールリバーサル(役割転換)
ブレイクしたあと、それまでのレジスタンスラインがサポートラインとして働き、サポートラインがレジスタンスラインとして働くことがあります。これをロールリバーサル(役割転換)と呼びます。先ほどの例でいえば、1,200円を上に抜けたあと、価格が1,200円付近まで下がってきたところで下げ止まる、といった動きです。
ただし、役割転換は「起こることがある」現象にすぎず、抜けた価格帯をそのまま通過していくことも珍しくありません。
株とFXでの使い方の違い
- 株:取引時間外に出た決算やニュースで始値が大きく飛び(窓が開き)、ラインを一気に飛び越えることがあります。また、上場来高値や年初来高値・安値なども意識されやすい価格として見られます。
- FX:平日ほぼ24時間取引されるため、値動きは連続しやすい一方、時間帯によって取引量が変わり、ラインを一瞬だけ突き抜けるような動きも起きます。150円ちょうどのような切りのよい数字が意識されやすいともいわれます。レバレッジをかけるため、だましにあったときの損失が大きくなりやすい点に注意が必要です。
弱点・だましと注意点
- 引く人によって線が違う:計算式がないため、同じチャートでも人によって線の位置が変わります。主観が入りやすい分析です。
- ブレイクのだまし:ラインを抜けたように見えて、すぐに元の範囲に戻ることがあります。終値で抜けたかどうかや、しばらく様子を見ることで確かめる人もいますが、それでもだましは避けられません。
- 後から引くと当たって見える:過去のチャートでは、きれいに反発した場所に線を引けるため、実際より有効に見えがちです。
- 何度も試されると弱くなることもある:同じ価格帯に何度もタッチすると、注文が消化されて抜けやすくなる、という見方もあります。
サポート・レジスタンスを使っても必ず利益が出るわけではなく、損失が出る可能性があります。FXや信用取引のようにレバレッジをかける取引では、預けた資金以上の損失が出ることもあります。
他の分析との組み合わせ方
サポート・レジスタンスは「どこで」値動きが変わりやすいかを考える道具です。そこに「勢い」や「値動きの幅」を見る指標を組み合わせる使い方があります。たとえば、ラインに近づいたときのRSIの過熱感、MACDのクロスやヒストグラムの変化、ボリンジャーバンドの幅(スクイーズからエクスパンションへの変化)などをあわせて確かめる方法です。それぞれの指標は、このシリーズの「RSI」「MACD」「ボリンジャーバンド」の記事で解説しています。
よくある質問
斜めの線もサポート・レジスタンスですか?
安値同士・高値同士を斜めに結んだ線はトレンドラインと呼ばれ、同じように支持・抵抗として使われます。この記事では基本となる水平線を中心に説明しました。
何本くらい引けばよいですか?
決まりはありませんが、線を引きすぎるとどれが重要か分からなくなります。長い足で目立つ価格帯から引くのが一般的です。
ラインで必ず止まりますか?
止まるとは限りません。あくまで意識されやすい価格帯の目安です。
まとめ
- サポートラインは下落が止まりやすい価格帯、レジスタンスラインは上昇が止まりやすい価格帯
- 長い足で、何度も止まった高値・安値に水平線を引き、帯として見る
- ブレイク後に役割が入れ替わるロールリバーサルが起こることがある
- 主観が入りやすく、だましもある。損失の可能性も忘れずに