「家庭用蓄電池に国の補助金はある?」「事業所の蓄電池に使える補助金は?」という疑問に答えるため、全国が対象となる国の蓄電池補助金を2026年10月時点の受付状況とあわせて整理しました。家庭向けの代表的な制度であるDR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正)は2026年5月29日に予算到達で公募終了しており、公式サイトでは公募の再開予定はないと案内されています。一方、事業者向けには受付中・受付終了間近の制度があります。

この記事で分かること

  • 2026年10月時点で受付中・受付終了の国の蓄電池補助金
  • DR家庭用蓄電池事業の補助額と、終了後の状況
  • 業務産業用蓄電システム導入支援事業(小規模)の対象・補助率・上限
  • 申請の流れと注意点、自治体補助金との併用

国の蓄電池補助金の概要(2026年10月時点)

国の蓄電池補助金は、主に資源エネルギー庁の補助事業(執行団体:一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII))と、環境省の補助事業があります。SIIの事業は、蓄電池を電力の需給調整(ディマンドリスポンス=DR)に活用することが前提です。設置場所や容量によって対象事業が分かれます。

制度主な対象2026年10月30日時点の状況
DR家庭用蓄電池事業(家庭用蓄電システム導入支援事業、令和7年度補正)蓄電容量20kWh以下(家庭など)2026年5月29日に予算到達で公募終了。再開予定なし
業務産業用蓄電システム導入支援事業(令和7年度補正)20kWh超・PCS合計出力100kW未満、高圧以上の需要側公募期間は2026年3月24日~10月30日(2026年10月30日締切)
大規模業務産業用蓄電システム等導入支援事業(令和7年度補正)PCS合計出力100kW以上1次公募の結果をもって終了
系統用蓄電システム等導入支援事業(令和7年度補正)電力系統に直接接続する蓄電池2026年9月4日~11月4日17:00必着で公募中
ストレージパリティ事業(環境省、令和8年度)太陽光発電と同時に導入する蓄電池一次・二次公募とも終了(二次は10月2日正午締切)

DR家庭用蓄電池事業(家庭向け・受付終了)

家庭用蓄電池を対象とする国の代表的な制度です。令和7年度補正の公募要領では、補助金基準額は初期実効容量1kWhあたり3.45万円、補助率は設備費・工事費の3/10以内、上限は1申請あたり60万円で、これらで計算した金額のうち最も低い額が補助金になる仕組みでした。蓄電池アグリゲーターとのDR契約か、小売電気事業者のDRメニューへの加入が条件で、申請は登録された販売事業者(共同実施事業者)を通じて行う方式です。

公募期間は2026年3月24日から12月10日までの予定でしたが、5月29日に交付申請額が予算に達したため終了しました。公式サイトでは公募再開の予定はないこと、対象製品や販売事業者などの新規登録も終了したことが案内されています。現在、家庭で蓄電池の補助金を探す場合は、都道府県・市区町村の補助金を確認するのが現実的です。

業務産業用蓄電システム導入支援事業(事業者向け)

対象になる人・設備と要件

工場やビルなどに中規模の蓄電池を新しく導入する事業が対象です。公募要領の主な要件は次のとおりです。

  • 対象者:日本国内で事業を営む法人・個人事業主、または国内に住む個人で、設備の所有者であること(リースは事業者と使用者の共同申請)
  • 設備:新規導入で、蓄電容量20kWh超、蓄電池PCSの合計出力100kW未満、高圧以上の需要側(工場・ビル等)に設置するもの
  • 価格:設備費と工事費の合計が目標価格(税抜11.9万円/kWh)以下であること
  • DR:蓄電池アグリゲーターとのDR契約、または小売電気事業者のDRメニューへの加入を、少なくとも2028年3月31日まで継続すること
  • セキュリティ・安全:JC-STAR★1の取得や、リチウムイオン電池の第三者認証などの要件があります

補助額・上限

項目内容
補助金基準額3.75万円/kWh(蓄電容量)
補助率設計費・設備費・工事費の1/3以内
上限額1申請あたり1,500万円
評価による増額レジリエンス体制、廃棄物処理法上の広域認定でそれぞれ0.1万円/kWh

基準額から計算した額、経費に補助率を掛けた額、上限額のうち最も低い額が補助金になります。予算規模は家庭用・業務産業用・IoT化推進事業の合計59.6億円のうち1.7億円程度とされています。

申請期間と締切

公募期間は2026年3月24日~10月30日で、2026年10月30日が最終日です。期間内でも予算額に達した時点で受付終了となるため、これから準備を始める場合は間に合わない点に注意してください。補助事業の完了期限は2027年2月1日です。

系統用蓄電池・環境省ストレージパリティ事業

系統用蓄電システム等導入支援事業は、需要家の敷地内ではなく電力系統に直接接続する蓄電池が対象で、主に発電・蓄電事業を行う事業者向けです。公募期間は2026年9月4日~11月4日17:00必着です。

環境省のストレージパリティ事業は、太陽光発電と蓄電池を同時に導入する自家消費型の事業が対象です。令和8年度の補助金基準額は、定置用蓄電池が業務・産業用(20kWh超)3.9万円/kWh、家庭用(20kWh以下)3.8万円/kWhで、蓄電池等の交付上限は4,000万円でした。令和8年度の公募はすでに終了しています。

申請の流れと注意点

  1. GビズIDを取得する(SIIの業務産業用事業や環境省事業はJグランツで申請)
  2. DR契約先(蓄電池アグリゲーター)またはDRメニューを決め、見積を取得する(業務産業用は原則三者見積または競争入札)
  3. 交付申請 → 交付決定 → 発注・設置・支払 → 完了・実績報告 → 補助金の受け取り
  • 交付決定前の着手に注意:交付決定前に行える行為・行えない行為が公募要領で定められています。
  • 予算に達し次第終了:DR家庭用のように、予定の期限より早く終わることがあります。
  • 処分制限期間:補助で導入した設備は、法定耐用年数に応じた期間、勝手に売却・廃棄できません。
  • 不正受給:SIIの公募要領では、不正行為には交付決定の取消しや事業者名の公表、刑事罰の対象となることがあると明記されています。

国の補助金との併用

業務産業用蓄電システム導入支援事業の公募要領では、他の国庫補助金との併用はできないとされています。地方自治体の補助金との併用は、その自治体に確認するよう案内されています。家庭用蓄電池でも、自治体補助金の併用条件は各自治体の要綱で確認してください。

よくある質問

DR家庭用蓄電池事業は追加募集がありますか?

公式サイトでは、令和7年度補正分の公募の再開予定はないと案内されています。次年度以降の事業は2026年10月時点で公表されていません。

家庭用蓄電池で今使える補助金は?

2026年10月時点で、家庭用蓄電池単体を対象に受付中の国の補助金は確認できませんでした。都道府県・市区町村の補助金を確認しましょう。

まとめ(公式ページ)

2026年10月時点で、家庭向けの国の蓄電池補助金(DR家庭用蓄電池事業)は受付を終了しています。事業者向けの業務産業用(小規模)は10月30日が公募最終日、系統用は11月4日17:00必着で公募中です。補助額や要件は公募回ごとに変わるため、必ずSIIや環境省・執行団体の公式ページと公募要領を確認してください。

参考資料・出典