この記事で分かること

この記事で分かること:個人が既存の戸建て住宅に5kWの太陽光発電を設置する場合、国・都道府県・市区町村の補助金を併用すると最大いくらになるか(2026年11月時点)/国の補助金と自治体の補助金を併用するときのルールと、つまずきやすい注意点/当サイトで紹介している地域ごとの併用可否と合計額の目安(地域別の早見表)

結論:併用で最大いくらになるか

結論:併用で最大いくらになるか

2026年11月時点で、個人が既存の戸建て住宅に太陽光発電だけを設置する場合に国が直接出す補助金は、当サイトが確認した範囲ではありません。そのため、併用の中心は「都道府県+市区町村」の組み合わせになります。

モデルケース(既存戸建て・5kW・購入)で最も合計額が大きくなるのは東京都の区部で、東京都の助成60万円+港区の助成40万円=合計100万円が最大です。中央区・文京区(95万円)、新宿区・葛飾区(90万円)が続きます。東京都以外では、県の補助だけで35万円前後(長野県の豪雪地向けは50万円)が目安で、市町村の上乗せがあるかどうかで合計が変わります。

下の表は、確認できた範囲での上位10の組み合わせです。金額はいずれも2026年11月時点の公式ページによるもので、予算や受付状況によって変わります。

順位地域国都道府県市区町村合計(モデルケース)受付状況(2026年11月時点)
1東京都港区なし60万円40万円(10万円/kW、区民の上限40万円)100万円受付中。工事着工前に申請(申請は2027年1月29日まで)
2東京都中央区なし60万円35万円(10万円/kW、上限35万円)95万円(中央エコアクト実施なら区42万円で102万円)受付中。予算残額32.0%(9月30日時点)。工事の2週間程度前に申請
2東京都文京区なし60万円35万円(7万円/kW、上限35万円)95万円受付中(設置後申請)。予算に対する申請割合55%(10月23日時点)
4東京都新宿区なし60万円30万円(10万円/kW、上限30万円)90万円第3期受付中(11月2日〜12月25日、先着順・施工と支払い完了後に申請)
4東京都葛飾区なし60万円30万円(6万円/kW、上限30万円)90万円受付中。工事着工の4週間前までに事前協議
6東京都江東区なし60万円20万円(5万円/kW、上限20万円)80万円受付中。工事着工前に申請(2027年3月15日必着)
6東京都品川区なし60万円20万円(5万円/kW、上限20万円)80万円区の個人向け枠は予定件数超過(10月22日時点)。区分は受付再開の有無を要確認
8東京都中野区なし60万円15万円(定額)75万円前期は予算到達で終了。後期は11月30日8時30分から
8東京都大田区なし60万円15万円(リフォーム助成:費用の10%、上限20万円)75万円受付中(事前申込は2027年1月29日まで)。区内業者の施工が条件、執行率約58%(10月1日時点)
10東京都杉並区なし60万円12万円(4万円/kW、上限12万円)72万円受付中(申請期限は区の公式ページで確認)

※東京都の60万円は「家庭における太陽光発電導入促進事業」の既存住宅の単価(3.75kWを超える場合は12万円/kW)×5kWで計算しています。大田区は設置費用を仮に150万円(架空の例)とした場合の10%です。各区の助成は、他の補助金との合計が対象経費を超える場合に減額されるなどの調整があります(モデルケースでは合計100万円以下のため、費用150万円の仮定では超えません)。

東京都以外の主な組み合わせ(県の補助のみで計算。市町村の上乗せは各市町村で要確認)は次のとおりです。

地域国県の補助(5kW)主な条件受付状況
長野県(雪国太陽光)なし50万円(10万円/kW、上限50万円)豪雪地の住宅向けモデル事業。データ提供などの条件あり11月27日まで(先着順)
山形県なし35万円(7万円/kW、上限63万円)FIT・FIP認定を取らない、自家消費30%以上、省エネ健康住宅と同等の性能交付申請は2027年1月15日まで
石川県なし35万円(7万円/kW、上限35万円)FIT・FIP認定を取らない、自家消費30%以上交付申請は12月28日まで
福島県(モデル事業)なし35万円(7万円/kW、上限42万円)FIT認定を取らない、自家消費30%以上2027年2月5日まで(先着順)
青森県なし25万円(5万円/kW、上限25万円)市町村経由で申請。FIT・FIP認定を取らない市町村ごとに募集期間が異なる
山梨県なし(国の補助と併用不可)15万円(3万円/kW、上限27万円)市町村の一般財源の補助は要綱で併用可否を確認11月27日まで

モデルケースの前提

モデルケースの前提

補助額は出力や費用、住宅の種類で大きく変わるため、この記事では次の条件で計算しています。

  • 個人が、自分の住む既存の戸建て住宅に太陽光発電を新たに設置する(新築・集合住宅・事業所は対象外として計算)
  • 出力は5kW(太陽電池モジュールの公称最大出力の合計とパワーコンディショナの定格出力のうち低いほうが5kW)
  • リースやPPA(初期費用ゼロ型)ではなく、自分で購入して設置する。蓄電池は設置しない
  • kW単価の補助は5kWで計算し、定額・上限のある補助は上限額で計算
  • 費用に対する割合で決まる補助(費用の10%など)は、設置費用を仮に150万円(税抜、架空の例)として計算
  • 金額・受付状況はすべて2026年11月時点の公式ページによる

なお、蓄電池を同時に設置すると、別に蓄電池の補助が受けられたり(江東区は太陽光の単価も6万円/kWに上がります)、蓄電池とのセットが条件の補助(兵庫県、神奈川県など)の対象になったりします。蓄電池を含めた合計はこの記事の計算に入っていません。

国の補助金と、自治体の補助金を併用するときのルール

国の住宅向け太陽光補助の現状

2026年11月時点で、個人が既存住宅に太陽光発電だけを設置する場合の国の補助は、当サイトが確認した範囲ではありません。国の住宅省エネの補助である「みらいエコ住宅2026事業」のリフォームでは、公式サイトで「太陽光発電設備の設置工事」が補助の対象にならない工事として明記されています。

国の制度で太陽光が関わるのは、主に新築のGX志向型住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)など、住宅全体の省エネ性能に対する補助です。太陽光パネルそのものの費用に出る補助ではなく、要件・金額は各事業の公式ページで確認が必要です。また、環境省の「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」は民間企業等の自家消費型太陽光・蓄電池が対象で、個人の住宅向けではありません。

自治体の補助には「国のお金」が入っているものがある

県や市町村の住宅用太陽光補助の中には、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」を財源にしているものがあります。例えば兵庫県は、この交付金を活用しているため同じ設備について他の国庫補助とは併用できないと案内しています。石川県も、太陽光発電設備には国費を財源とする他の補助金と併用できないとしています。このタイプの補助は、FIT・FIP(売電の固定価格買取)の認定を取らないことや、発電した電気の30%以上を自家消費することが条件になっていることが多い点にも注意してください。

併用でつまずきやすいポイント

  • 申請の順番・タイミング:港区・中央区・江東区・葛飾区などは工事の着工前に申請(または事前協議)が必要で、交付決定前に着工すると補助が受けられません。一方、新宿区・文京区・中野区・豊島区などは設置後に申請します。東京都の助成も事前申込が必要です。制度ごとに「着工前」「設置後」が違うため、契約前にすべての制度の手順を確認しましょう。
  • 同一経費の重複:文京区は、同じ設備について区の他の補助との併用はできません。東京都も、都と公社の同種の助成を重複して受けることはできないとしています。
  • 補助額が経費を超えない:新宿区・葛飾区・文京区・杉並区・江東区などは、他の補助との合計が対象経費を超える場合に区の補助を減額します。大田区は「他の助成と併用しても助成額以上の自己負担が発生すること」が要件です。
  • 国・都の決定通知の提出:新宿区や中央区は、申請時点で国や都の助成額が決まっている場合、その通知書の写しの提出を求めています。都の手続きには時間がかかることがあるため、年度末の申請は余裕を持ちましょう。
  • 先着・予算:多くの補助は予算に達し次第終了します。中野区の前期や品川区の個人向け枠のように、年度途中で受付が止まる例があります。
  • キャッシュバック等:東京都は、キャッシュバックやポイントでの還元がある場合、その額を助成対象経費から除くとしています。

地域別の併用早見表

当サイトで紹介している地域の制度をまとめました。「合計の目安」はモデルケース(既存戸建て・5kW・購入、費用は仮に150万円)での計算です。公式ページで確認できなかった項目は「要確認」としています。

地域都道府県の補助主な市区町村の補助国との併用合計の目安当サイトの詳しい記事
国--既存住宅の太陽光単独への国の補助はなし(みらいエコ住宅2026のリフォームは太陽光の設置工事が対象外)0円記事
東京都既存住宅15万円/kW(3.75kW以下・上限45万円)、3.75kW超は12万円/kW。5kWで60万円下の各区を参照都と公社の同種助成の重複は不可。国の太陽光単独補助はなし60万円+区の助成都の補助/初期費用ゼロ型
東京都港区60万円10万円/kW(上限40万円)区は他の助成金と併用可能(相手方の条件による)100万円記事
東京都中央区60万円10万円/kW(上限35万円、中央エコアクトは15万円/kW・上限42万円)国・都の助成を併用すると区の助成が減額となる場合あり95万円(最大102万円)記事
東京都文京区60万円7万円/kW(上限35万円)国・都と併用可。合計は経費まで95万円記事
東京都新宿区60万円10万円/kW(上限30万円)併用可の場合あり。合計が経費を超えると減額90万円記事
東京都葛飾区60万円6万円/kW(上限30万円)国・都と併用可。合計が経費を超えると減額90万円記事
東京都江東区60万円5万円/kW(上限20万円、蓄電池と同時申請は6万円/kW・上限24万円)合計が実支出額を超えると調整80万円個人住宅/事業所
東京都品川区60万円5万円/kW(上限20万円)※予定件数超過併用の扱いは区環境課で要確認80万円(区の受付再開が前提)記事
東京都中野区60万円定額15万円(2kW以上)公式ページに明記なし。区で要確認75万円記事
東京都大田区60万円リフォーム助成:費用の10%(上限20万円、区内業者)併用しても助成額以上の自己負担が必要75万円記事
東京都杉並区60万円4万円/kW(上限12万円)国・都と併用可。合計が経費を超えると減額72万円記事
東京都豊島区60万円2万円/kW(上限8万円)国・都が禁止していなければ併用可(区の単独予算)68万円記事
東京都足立区・練馬区・板橋区・荒川区60万円当サイト記事では足立区6万円/kW(上限24万円)、練馬区定額8万円、板橋区8万ポイント、荒川区2万円/kW。今回公式ページでの再確認はできず要確認板橋区は都の助成を受けていることが条件(記事時点)要確認足立/練馬/板橋/荒川
長野県雪国太陽光10万円/kW(上限50万円)。太陽光単体は「クルマとつなぐ屋根ソーラー」の対象外市町村で要確認公式ページで明記なし。要確認50万円(豪雪地向け)雪国/屋根ソーラー
山形県7万円/kW(上限63万円)国費が入っていない市町村補助は併用できる場合あり補助対象が重複する国・県の補助は併用不可35万円+市町村既存住宅/新築パッケージ
石川県7万円/kW(上限35万円)市町の窓口で併用可否を確認国費財源の他の補助と併用不可35万円+市町記事
福島県モデル事業7万円/kW(上限42万円)市町村で要確認国・県の他の補助を受けていないことが条件35万円モデル事業/住宅用
青森県5万円/kW(上限25万円)※市町村経由実施市町村のみ同一設備で他の国庫補助と併用不可(記事時点)25万円住宅用/事業用
山梨県3万円/kW(上限27万円)市町村の一般財源の補助は要綱で確認国の補助と併用不可15万円+市町村個人住宅/第三者所有
兵庫県7万円/kW(上限5kW)。実施市町のみ、蓄電池とのセットが条件実施市町が窓口同一設備で他の国庫補助と併用不可35万円(蓄電池セット時の太陽光分)住宅用/非住宅
千葉県リース等の初期費用ゼロ型が対象。7万円/kW(10kW未満)-国の補助を受ける場合はその額を対象経費から控除購入はモデル対象外記事
神奈川県0円ソーラーが対象。7万円/kW(蓄電システム必須)-記事時点のQ&Aでは国・他自治体と併用可(合計は経費まで)購入はモデル対象外記事
栃木県太陽光+蓄電池セット(受付終了)--受付終了個人住宅/事業者
徳島県・佐賀県・和歌山県・長崎県・三重県当サイト記事では7万円/kW前後(徳島・佐賀は上限35万円)。和歌山・長崎・三重は市町(村)が窓口市町村の制度で金額が決まる国費財源の補助と同一設備で併用不可とする案内が多い(要確認)要確認徳島/佐賀/佐賀・事業者/和歌山/和歌山・事業者/長崎/三重/三重・事業者
京都府・滋賀県・宮城県・宮崎県当サイト記事では京都府1万円/kW(FIT可・上限4万円)、滋賀県定額4万円、宮城県3万円(蓄エネ設備併設)、宮崎県3.5万円/kW(上限21万円)市町村の制度を要確認要確認要確認京都/京都・共同住宅/京都・駐車場等/滋賀/滋賀・事業者/宮城/宮崎
島根県ZEH新築とセットの補助など(既存住宅の太陽光単独は対象外)-国の補助、国費財源の市町村補助と併用不可(記事時点)モデル対象外住宅/中小企業/売電型
事業者向けのみの地域個人住宅は対象外--モデル対象外愛媛/香川/高知/広島/埼玉/福岡/鹿児島/鹿児島PPA等/秋田/大分/岩手/福井/富山/大阪

併用するときの申請の流れ

併用するときの申請の流れ:1. 使える制度を洗い出す:都道府県と市区町村の公式ページで、太陽光の補助があるか、受付中か、予算の残りはどうかを確認します。国の制度は、新築やZEHでない限り太陽光単独では使えない前提で考えます。/2. 併用ルールと申請時期を比べる:「着工前申請」「設置後申請」「国費財源の補助とは併用不可」「FIT認定を取らない」などの条件を、制度ごとに書き出します。条件が両立しない場合は、どちらか一方を選びます。/3. 見積もりと契約前の手続き:見積もりの内訳(機器費・工事費・キャッシュバックの有無)を確認し、着工前申請や事前申込・事前協議が必要な制度は、契約・着工の前に申請して交付決定を待ちます。/4. 設置・連系・支払い:工事と電力会社との系統連系を済ませ、領収書や保証書、写真など各制度が求める書類をそろえます。/5. 実績報告・設置後申請:都道府県の実績報告や、設置後に申請する区市町村の補助を手続きします。先に決まった補助の決定通知の写しが必要になることがあります。/6. 入金後の義務を守る:一定期間の使用・保有や、発電データの提供などの条件が付く制度があります。

よくある質問

国の補助金と都道府県の補助金は両方もらえますか?

2026年11月時点では、既存の戸建て住宅に太陽光だけを設置する場合の国の補助は確認できませんでした。そのため「国+自治体」の併用は通常は発生しません。新築でZEHなどの国の補助を使う場合は、山形県や山梨県のように「国の補助とは併用不可」とする県もあるため、両方の要件を必ず確認してください。

都道府県と市区町村の補助は必ず併用できますか?

必ずではありません。東京都の各区のように国・都との併用を認める制度が多い一方、環境省の交付金を財源とする県・市町村の補助は、同じ設備で他の国費の補助と併用できない場合があります。また、合計額が設置費用を超える場合は減額されます。申請前に両方の窓口に確認しましょう。

売電(FIT)をすると補助が使えないことがありますか?

あります。山形県・石川県・福島県(モデル事業)・青森県などの自家消費型の補助は、FIT・FIPの認定を取らないことが条件です。一方、東京都や多くの区の補助は全量売電でなければ対象になります。どちらを選ぶかで使える補助が変わります。

リースや初期費用ゼロ型でも併用できますか?

港区・中央区・中野区などはリース品を対象外としています。千葉県・神奈川県の補助は逆にリースや0円ソーラーが対象で、補助金はサービス事業者を通じて利用料の低減などで還元されます。購入とリースで使える補助が異なる点に注意してください。

まとめ

2026年11月時点、既存の戸建て住宅に個人が太陽光発電を設置する場合、国の単独補助はなく、併用の中心は都道府県と市区町村です。モデルケース(5kW)では、東京都の助成60万円に区の助成を合わせた港区の100万円が最大で、中央区・文京区の95万円、新宿区・葛飾区の90万円が続きます。東京都以外では県の補助で25万〜50万円程度が目安で、市町村の上乗せの有無で合計が変わります。

併用の可否は「国費が財源か」「着工前か設置後か」「合計が経費を超えないか」「FIT認定を取るか」で決まることが多く、予算に達すると年度途中でも受付が終わります。契約前に、都道府県と市区町村の公式ページで最新の受付状況と併用条件を必ず確認してください。

参考資料・出典