小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)は、2026年10月時点で第20回公募の申請受付が2026年11月5日(木)に始まり、12月15日(火)17:00に締め切られる予定です。商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」の受付締切は12月4日(金)と、申請締切より早く設定されています。この記事では、事務局が公開している第20回公募要領(第8版、2026年7月21日改版)をもとに、2026年に申請を考えている小規模事業者向けに、要件・補助額・対象経費・手続きの流れを整理します。
この記事で分かること
- 持続化補助金(一般型 通常枠)の目的と、第20回公募のスケジュール
- 対象となる「小規模事業者」の従業員数の基準と、対象外になるケース
- 補助上限額・補助率と、インボイス特例・賃金引上げ特例の上乗せ
- 対象経費8区分と、ウェブサイト関連費などの注意点
- GビズIDの取得から実績報告・補助金の受け取りまでの流れ
補助金の概要(目的・実施機関)
持続化補助金は、小規模事業者が物価高騰・賃上げ・インボイス制度の導入といった制度変更に対応するため、自ら策定した経営計画に基づいて行う販路開拓等の取組(新たな市場への参入に向けた売り方の工夫、新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発など)や、それとあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取組の経費の一部を補助する制度です。中小企業庁の事業で、商工会地区・商工会議所地区それぞれの補助金事務局が運営しています。
なお、持続化補助金には一般型 通常枠のほかに「創業型」などの別の公募があります。公募要領では、創業型に申請中または採択を受けている事業者は一般型 通常枠に申請できないとされているため、どちらを使うかは事前に決めておく必要があります。
対象になる事業者と要件
対象は、日本国内に所在する小規模事業者(法人・個人事業主)と、一定の要件を満たす特定非営利活動法人です。「小規模事業者」かどうかは、業種ごとに常時使用する従業員の数で判断します。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
会社役員や同居の親族従業員、日雇労働者、2か月以内の期間を定めて使用される人、試用期間中の人などは従業員数に含めません(賃金引上げ特例で使う「従業員」の考え方とは異なります)。このほか、資本金5億円以上の法人に100%株式を保有されていないこと、直近3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないことも要件です。
一方、医師・歯科医師、医療法人、一般社団法人、任意団体などは対象外です。申請時点で開業していない創業予定者も対象外で、開業届を出していても開業日が申請日より後なら申請できません。また、過去に持続化補助金で採択・補助事業を実施した事業者は、「事業効果および賃金引上げ等状況報告書(様式第14)」を提出済みでないと申請できないため、過去に利用した方は必ず確認してください。
申請枠・補助率・補助上限額
第20回公募の基本の補助上限は50万円、補助率は3分の2です。条件を満たすと、以下のように上限が上乗せされます。
| 区分 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 通常(特例なし) | 50万円 | 2/3 |
| インボイス特例 | 50万円上乗せ(計100万円) | 2/3 |
| 賃金引上げ特例 | 150万円上乗せ(計200万円) | 2/3(赤字事業者は3/4) |
| 両特例 | 200万円上乗せ(計250万円) | 2/3(赤字事業者は3/4) |
インボイス特例
2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間に一度でも免税事業者だった事業者、または2023年10月1日以降に創業した事業者のうち、補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けている事業者が対象です。
賃金引上げ特例
補助事業実施期限日(2028年3月31日)を終点とする12か月と、その前年同月の12か月を比べて、従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加させることが要件です。目標値を自ら設定し、交付決定までに従業員等へ表明したうえで、実績報告時に達成している必要があります。直近1期(個人は直近1年)の課税所得金額がゼロ以下の事業者は、補助率が3/4に上がります。
注意したいのは、特例を希望して要件を1つでも満たさなかった場合、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されない点です。特例の選択は、達成できるかを慎重に見極めてから行いましょう。
対象経費と対象外の経費
対象経費は、①機械装置等費、②広報費、③ウェブサイト関連費、④展示会等出展費(オンライン含む)、⑤旅費、⑥新商品開発費、⑦借料、⑧委託・外注費の8区分です。いずれも「使用目的が本事業に必要と明確に特定できる」「交付決定日以降に発生し、補助事業期間中に支払いが完了した」「証憑で支払額が確認できる」経費に限られます。
- ウェブサイト関連費:ホームページやECサイト、システムの構築・改修等が対象ですが、ウェブサイト関連費だけでの申請はできず、補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。
- 機械装置等費:通常の事業活動のための費用や単なる取替え更新は対象外です。1件50万円(税込)超の発注は2者以上の見積が必要で、中古品は金額にかかわらず2者以上の見積が必要です。
- 処分制限:単価50万円(税抜)以上の機械装置や、50万円(税抜)以上の費用で作成・更新したウェブサイト等は「処分制限財産」となり、一定期間は事務局の承認なく売却・廃棄等ができません。
- 課税事業者は、消費税等仕入控除税額を補助対象経費から差し引いて申請します。
申請の流れとスケジュール(公募回・締切)
| 項目 | 第20回公募の日程(予定) |
|---|---|
| 申請受付開始 | 2026年11月5日(木) |
| 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日(火)17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃予定 |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日から2028年3月31日まで |
| 実績報告書の提出期限 | 2028年4月10日 |
- GビズIDプライムを取得:申請は電子申請システムのみで、郵送は受け付けません。取得には数週間程度かかるため早めに手続きします。暫定GビズIDプライムは使えません。
- 経営計画(様式2)・補助事業計画(様式3)を作成:事業者自身が検討した内容であることが求められます。
- 地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼:12月4日の受付締切以降は、いかなる理由があっても発行されません。
- 電子申請:12月15日17:00までに提出します。同一事業者からの応募は1件までです。
- 採択後、見積書等を提出し交付決定を受ける:交付決定まで採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があります。
- 補助事業の実施:発注・契約・支払いは交付決定日以降に行います。
- 実績報告→補助金額の確定→請求→入金:補助金は後払いです。終了から1年後には事業効果報告も必要です。
採択に向けたポイントと注意点
- 交付決定前の発注・契約・支払いは対象外:採択通知だけでは事業を始められません。交付決定通知書に記載された交付決定日から着手できます。
- 自己負担と資金繰り:補助金は事業終了後の精算払いのため、いったん全額を立て替える資金が必要です。
- 自ら計画を検討する:事業者自身が検討した形跡がない場合や、検討していなかったことが判明した場合は、不採択・交付決定取消になると明記されています。
- 外部支援を受ける場合の申告:商工会・商工会議所以外の第三者から支援を受けた場合は、相手方と支援金額(着手金・成功報酬など名目を問わず)を申請書に記載する必要があり、記載がないと虚偽の報告として不採択・取消になります。公募要領はサービス内容と乖離した高額なアドバイス料金を請求する業者への注意を呼びかけています。GビズIDのアカウントやパスワードを第三者に開示することも利用規約違反です。
- 不正受給への罰則:補助金適正化法に基づき、交付決定取消・返還命令、不正内容の公表のほか、5年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金(併科あり)の対象になります。事務局は、事務局を名乗って補助金を紹介・斡旋する不審な電話等にも注意を呼びかけています。
- 書類の保存:補助事業に関する帳簿・証拠書類は、事業終了年度の終了後5年間保存が必要です。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
商工業者である個人事業主は対象です。ただし申請時点で開業している必要があり、開業届上の開業日が申請日より後の場合は対象外です。
ホームページ制作だけで申請できますか?
できません。ウェブサイト関連費のみでの申請は不可で、ほかの経費と組み合わせる必要があります。交付申請額の上限も30万円(税込)です。
第19回の結果や次回の予定は?
第19回は2026年4月30日に締め切られ、7月29日に採択者一覧が公開されました。第20回より後の公募予定は、公募要領で「第20回公募申請受付締切以降に追ってご案内」とされています。
まとめ(公式ページ)
2026年10月時点で申請できるのは第20回公募で、様式4の発行依頼は12月4日まで、電子申請は12月15日17:00までです。基本は上限50万円・補助率2/3で、インボイス特例・賃金引上げ特例により最大250万円まで上限が上がりますが、要件未達の場合は全額不交付となる点に注意が必要です。日程や要件は変更される場合があるため、申請前に必ず事務局サイトで最新の公募要領を確認し、地域の商工会・商工会議所に早めに相談しましょう。