この記事で分かること

中小企業成長加速化補助金は、売上高100億円を目指す中小企業の大胆な設備投資を支援する国の補助金です。2026年10月時点で3次公募の申請を受け付けており、締切は2026年11月12日(木)15:00です(当初の10月29日から延長)。この記事では、3次公募の公募要領と公募概要資料をもとに、次の点を整理します。

  • 対象になる企業と「100億宣言」などの要件
  • 補助率・補助上限額と対象経費
  • 2段階の審査とスケジュール
  • 賃上げ要件の返還ルールなど、申請前に知っておきたい注意点

補助金の概要(目的・実施機関)

売上高100億円を超える規模に成長した中小企業は、賃上げへの貢献、輸出による外需獲得、地域内からの仕入れを通じた地域経済への波及効果が大きいとされています。本補助金は、こうした成長を目指す中小企業の大胆な投資を後押しするものです。中小機構が「100億企業成長ポータル」で情報を発信し、事務局はTOPPAN株式会社が担っています。

対象になる事業者と要件

中小企業等経営強化法上の中小企業者で、売上高が10億円以上100億円未満であること、日本国内に本社と補助事業の実施場所があることなどが条件です。そのうえで、次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 投資額1億円以上(税抜き):建物費・機械装置費・ソフトウェア費(資産計上するもの)の合計。外注費・専門家経費は含みません
  • 100億宣言の公表:申請時までに「100億宣言」がポータルサイトに公表されていること
  • 賃上げ要件:補助事業終了後3年間の従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率を、全国の直近5年間の最低賃金の年平均上昇率(4.5%)以上にする目標を掲げ、達成すること
  • 日本国内で補助事業を実施すること

老朽化した設備の入れ替えなど、生産能力が上がらない更新投資は対象外です。原則は単独申請ですが、相乗効果が見込める場合は複数社による共同申請(コンソーシアム)も認められています。

補助率・補助上限額

項目内容(3次公募)
補助上限額5億円
補助率1/2
補助事業期間交付決定日から24か月以内
投資額要件1億円以上(税抜き)

対象経費と対象外の経費

  • 建物費:工場・倉庫など補助事業に不可欠な建物の建設・増築・改修・中古建物の取得(単価100万円以上)
  • 機械装置費:機械装置、工具・器具の購入・製作・借用(単価100万円以上)
  • ソフトウェア費:専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、クラウドサービス利用など(単価100万円以上)
  • 外注費・専門家経費:上記の取得に必要な設計・検査の外注や専門家への依頼。2つの合計は建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計未満であることが必要

土地代、建物の単なる購入や賃貸、撤去・解体費用、パソコン・タブレット・スマートフォンの本体費用、事業計画の作成費用、自社の人件費、グループ会社など関係者への支払いは対象外です。

申請の流れとスケジュール

  1. 100億宣言を申請:公表まで通常2〜3週間かかります。3次公募に応募する場合は10月26日(月)までの申請が案内されていました
  2. GビズIDプライムアカウントの取得:取得に2週間程度かかる場合があります
  3. Jグランツで電子申請:投資計画書、ローカルベンチマーク、決算書3期分などを提出。金融機関から投資計画の確認を受けた場合は「金融機関による確認書」も提出します
  4. 1次審査(書面)・2次審査(経営者によるプレゼンテーション)
  5. 採択後、原則2か月以内に交付申請→交付決定
  6. 補助事業の実施(交付決定から24か月以内)→実績報告・確定検査→補助金の支払い
  7. 事業化・賃上げの報告:補助事業終了後5年間
時期(予定)内容
2026年9月29日(火)3次公募 申請受付開始
2026年11月12日(木)15:003次公募 締切
2027年1月中旬1次審査結果の通知
2027年2月15日〜3月5日プレゼンテーション審査
2027年3月下旬以降採択結果の公表(以降順次、交付決定)

公募概要資料では、令和7年度補正予算分はこの3次公募で終了となる見込みとされています。今後の公募は100億企業成長ポータルで案内される予定です。

採択に向けたポイントと注意点

  • 競争率は高め:公式資料によると採択倍率は1次公募が約6.0倍、2次公募が約3.9倍です。2次公募は有効申請872件に対し採択は224件でした
  • 審査の視点:100億円に向けた中長期ビジョンと5年程度の事業戦略、賃上げの持続性、市場分析と差別化、域内仕入れなど地域への波及効果、財務状況、金融機関の支援姿勢などが評価されます。補助事業期間中の「足下の賃上げ」も評価対象です
  • 交付決定前の発注は対象外:交付決定より前に契約(発注)した経費は、いかなる事情があっても補助対象になりません。支払いは銀行振込で確認され、現金払いや手形払いは対象外です
  • 賃上げ未達は返還:目標未達の場合は未達成率に応じて返還、交付決定までに目標を従業員等へ表明しなかった場合などは全額返還となります
  • 虚偽申請は取消:建設業許可が必要な工事を無許可業者の見積で計上するなど、虚偽を含む申請は不採択や交付決定の取消となります

よくある質問

2次公募の採択結果はどこで見られますか?

100億企業成長ポータルで公表されています(2026年8月4日に採択者、8月19日に追加採択者を公表)。

締切直前に100億宣言をしても間に合いますか?

公表には通常2〜3週間かかり、10月27日以降の申請は締切までに間に合わない可能性があると案内されています。

工場の新設や建物の建設にも使えますか?

使えます。補助事業に不可欠な建物の建設・増築・改修は建物費として対象です。ただし土地代や建物の単なる購入・賃貸は対象外で、リース会社を利用して建物を取得する場合も建物費は対象になりません。機械装置やシステムはリース会社との共同申請も可能です(リース会社は100億宣言不要)。

設備の取得に借入を使う場合、何が必要ですか?

金融機関から投資計画の確認を受けた場合は、所定様式の「金融機関による確認書」を提出します。審査では金融機関の支援姿勢も評価項目の一つになっています。

中堅等大規模成長投資補助金とは違うのですか?

別の事業です。100億宣言企業向けの類型がありますが、補助率や投資額要件が異なります。

まとめ

中小企業成長加速化補助金は、上限5億円・補助率1/2と規模の大きい補助金ですが、100億宣言、投資額1億円以上、年平均4.5%以上の賃上げ目標という高い要件と、プレゼンを含む2段階の審査があります。3次公募の締切は2026年11月12日15:00です。最新の公募要領とポータルサイトで必ず確認してください。

参考資料・出典